最近思うことがあります。自分が事業を展開している場所が嫌いな事業者って、結構いるなあと。
自分のいる地域の顧客のことだったり、社員のことだったり、経営資源のことだったり様々です。
でも不思議なのは、そこまで嫌だったら出ていけばいいのに、なんだかんだ言ってそこから離れないのです。
代々伝わってきた事業だからと言って、同じ事業を続けようとする経営者も多いです。
でも、それを始めた初代の方って、それをやりたいからやったのでしょうか? それともそれが地域で必要とされていて、売れると分かっていたからそれを売り始めたのでしょうか?
この二つは似ているようで違います。なぜなら、前者は事業者視点ですが、後者は顧客視点だからです。そしてもし初代が顧客視点から販売するものを決めたのだとしたら、何を受け継ぐことがその人にとってもっとも良いことでしょうか?
初代が始めたサービス? それとも初代のものの見方?
代が下がるにつれて、「売っているもの」はあくまでも商売をする為の方便に過ぎなかったのに、それが「最も大事なモノ」に変わっていることはよくあります。
「ほしい人が少ないもの」を売るというのは大変です。かなり無理をしなければなりません。でもそうじゃなく、時代に合わせて、欲しいと思われるものを売っていくようにすることは、先祖に顔向けできないようなことなのでしょうか?
私は違うと思います。
正直に言うと、どんなに手を尽くしても顧客が本来欲しいと思っていないものは売れないものです。欲しくもなく、必要でもない。そんなものを押し売りするのはそもそも商売道に反します(本人が気づいていない欲求に気づいてもらう手伝いをして販売するのはOK)。
水がない井戸から水を出そうと思ってより深く掘るよりも、カンタンに水が出る所で新しい井戸を掘った方が良いのです。
時代の流れを見つめて、その時に何が欲しいと思われているのか。それを見つけ、そして実行に移す力。
それこそが今後の流れのはやい世の中で生き残っていく道ではないかと思います。
私の好きな作家にJim Rohnという方がいます。この方は言います。
「あなたがもし成功者がなぜ成功しているのか不思議に思うのであれば、彼と一緒に数日過ごしてみるといい。きっと、あなたはその理由に気づくであろう。見て! あの人がするすべてのことを!」
成功の秘訣は「水脈」を見つけた後に、それを掘り起こすために大量行動をすること。
私は、最近そのように考えています。
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